フォアハンドストロークの「手打ち」を直したい人がまず考えるべき2つのこと

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「手打ちは良くないよ」

「カラダ全体を使って打ちなさい」

…「テニスでよく耳にする言葉ランキング」みたいなものがあれば、この子たちは確実にトップ10に食い込んでくるでしょう。

手打ちは確かに良くないですが、、それを間違った方法で直そうとするのはもっと危険。

そこで、この記事では

  1. 手打ちを直したい人が陥りがちな誤解
  2. 手打ちの直し方で「肝」となる2つのポイント

についてお伝えしますね。

記事内で、左右については右利きの場合で表現しています。左利きの方は、左右を逆にして読み替えてください。

きょうの結論

結論からいきましょう。

手打ちを直す前にまず考えるべき2つのポイントがこれ。

  1. 「ラケットに打たせる感覚」を掴む
  2. 「手打ちだと何がいけないのか」を理解する

「ラケットに打たせる感覚」とは、

「全身を使わなくても良いボールを打てる感覚」

「手打ちだと何がいけないのかを理解する」とは、

「何がどう良くなるのかという狙いをしっかり定める」

そう変換してもらってもOK。

それができてから、↓実際の直し方↓に移りましょう。

  1. ボールを迎える時に、肩を入れて左手をしっかり使う
  2. ボールに入る時に、最後の一歩を大きく出して広めのスタンスで打つ

どうしてその手順かというと…

「手打ち」っていうネーミング自体もいけない気がしますが、「根本原因」と「対処方法」を間違えてしまうケースが本当に多いからです。

noren

それじゃ、順番に詳しく説明してくよ~
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パワーのロスを減らして「ラケットに打たせる感覚」を掴め

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いま手打ちを直そうとしているそこのアナタ。

もしかして、全身を大きく動かして一生懸命打とうとしてますか?

それ、間違ってますよ!

「手打ち」というお名前による誤解

手打ちで悩んでいるなら、「ラケットを上手く利用できていない可能性が高い」と考えましょう。

かつて面の小さい薄ラケが主流だった頃から時代は進んで、今はラケット自体のパワーがどんどん増してきてますよね。

次々と新素材が導入されて、性能も素晴らしい進化を遂げています。

実際、ガットが切れた時なんかに知り合いからラケットを借りて打ってみても、どのラケットもほんとに打ちやすくて感動します。。

つまり…
今は、誰でもラケットの力だけで十分イイ感じでボールを飛ばせる世の中。

ここがよくある誤解なんですが、

「手打ち」=「手だけで打つことがよくない」

って考えがちですよね。

そうじゃなくて、「ラケット本来の力を借りれば手だけでもちゃんと打てる」という視点が必要です。

じゃあ、いわゆる「手打ち」によってボールが思い通りに飛ばない原因は何なんだよ?

って話になりますよね。

その答えは、

腕・手首のしなり不足によるパワーのロス

です。

「自分が動かした身体のエネルギーがラケットに上手く乗ってない」ってことです。

パワーのロスは、無駄の多いフォームを生みます。

それが、打ったときのコントロール感を著しく下げます。

結果的に、

ボールが飛ばないし安定しない…

という悩みにつながります。

そして「手打ちが原因だ!」といって余計に動きを大きくしようとして、根本原因の究明から遠のいてしまう仕組みになっているわけです。

ラケットとタッグを組んでボールを飛ばそう

ですので、漠然と「手打ちを直そう」というのをまずやめましょう。

まず身につけるべきは、「腕のスイングだけでもそこそこ良いショットを打てる感覚」です。

フォアハンドは、身体の回転運動とか下半身の力を使わなくても、強いボールを飛ばすことは十分できます。

そのために必要なのは、たった一つ。

ラケットの動きを邪魔しないように、腕と手首をやわらかく使うこと。

あなたのかわいいラケットと二人三脚するイメージでボールを打ってみてください。

それができれば、もはや棒立ちでも気持ち良くボールを飛ばせる状態を体感できます。

全身を使うことを考えるのは、そうやって

しなやかな腕の振りでボールを引っぱたける感覚

を掴めてからでも、全然遅くないですよ。

noren

「棒立ち」って言っても、ボールに対してはちゃんと良い位置に入ってね

ついでに言うと、「腕、手首をしならせてボールを引っぱたくコツ」は↓の記事で説明している「ビンタ打法」を参考にしてください。

big forehand stroke 【フォアハンド強打のコツまとめ】決定力が上がれば世界が変わる!

僕イチオシの強打の秘訣です。

いったんまとめ
  • 手打ちの悩みの根本原因 = 腕・手首の硬さによるパワーのロス
  • 腕と手首をやわらかく使って、ラケットの力だけでボールを気持ちよく飛ばせる感覚が必要

手打ちだと何がいけない?どうなれば正解?

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さて、ここまでは

「つべこべ言わず、腕から先だけで良いショット打てや!」

と脅迫めいたお話をしてきました。

それはそれで、正真正銘、マジな話です。

ただしそれはあくまで下準備。

言うまでもなく、本来は足を使ったり身体の回転を使って打ったほうが理想的なショットを打てるんですよ。

大事なのは、「足を使ったり身体の回転を使ったほうがいいのはナゼ?」を理解すること。

そこが、冒頭で挙げたポイントの2つめである

「手打ちだと何がいけないのか?」

って話です。

その答えは主に4つあるので、順に説明しますね。

noren

つまり、これが「手打ちを直すときに狙うべきポイント」でもあるってことね

① 本来出せるはずのパワーが封印されてもったいなさ過ぎる

さっきも説明したとおり、腕と手首をやわらかく使えば少ない力でもボールを強く飛ばせます。

そこに加えて

  • 「軸足(右足)を蹴りだす」力
  • そこから始まる「上体の回転運動」による力

を使うと、さらなるパワーアップを遂げますよ。

僕のように線の細い人間でも、十分パワフルに打てます。

ボールのパワーの上限が引き上げられれば、今まで必死に打っていたボールでも余裕をもって打てるようになるのは想像つきますよね。

② ボールを「持ちにくい」=打球が安定しない

手打ちだと、やっぱり安定性に欠けます。

↓の記事でも触れてますが、

「ボールを持つ」=「ボールがラケット面と長く接している状態」

です。

a little girl on the court パワーとコントロール、結局どっちのほうが大事なの的な話 improve volley 【ボレーのコツ】ボレーが超絶下手だった僕は、バイトをサボったらボレーが得意になった

ボールを安定させるには、この「ボールを持つ」っていう感覚がめちゃくちゃ大事。

noren

この感覚を掴むには、上半身だけではちょっと難しいのよね

ヒザの曲げ伸ばしから運動連鎖が始まる。

その結果としてラケットが出くる。

ボールを一瞬グッと前に押し出す。

そういうイメージの動き方が必要です。

③ 相手のボールの変化に対する微調整ができない

相手が打ったボールの質だったりコートのコンディションだったりによって、ボールはバウンドしたあと変化します。

同じ相手でも、まったく同じ弾道とか回転のボールが来続けることなんてないじゃないですか。

サーフェスだってそう。

オムニコートだと1つのコート内でも場所によって砂が多い少ないがあったり、

ハードコートでも所々傷んで微妙に亀裂が入ってたり。

だから、一見普通のボールに見えても実際は微妙に変化してます。

それに対して柔軟に対応して良いインパクトを確保するには、

ヒザをやわらかく使って「調整しろ」を作る

っていうのが肝心です。

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「足を細かく動かしたらそれだけで打ちやすくなった感じがした」って経験ない?

④ 足が止まっているとスムーズに次の動きに移れない

手打ちだと、ボールを打つタイミングの前後で十分に足が動いていません。

これは

  • 良い位置に入れないままボールを打ってしまう
  • 打った後の戻りが遅く、どんどん不利な状況に追い込まれる

なんていう、よろしくない事態を招きます。

「足が止まる」は、本当に全てを悪化させます。

1発だけなら横着なフットワークでパワフルショットを打てても、それは1試合を勝ちきれる強さにはつながりません。


と、ここまで4つの狙いを説明しました。

まとめると、手だけじゃなく全身を使う(手打ちを直す)ことで得られる効果は

  • より楽にパワーが出る
  • それによって、ショットがより安定する
  • ボールの変化に対する「調整しろ」を確保できる
  • ステップを踏んで、スムーズに次の動きに移れる

ってことですね。

いきなり全身を使って無理に大きいスイングをしないこと。

まずはベースとなる「腕と手首のやわらかい使い方」を身につけること。

その上でさらにショットの質を上げていくために、全身の動きを利用すること。

このアプローチのほうが、遠回りに見えて結果的に近道になります。

手打ちを直すためのポイントは「左手」「スタンス」の2つ

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最後に、具体的な「手打ちの直し方」です。

小難しい話は抜きにしましょう。

やってほしいのは2つだけです。

上半身:とにかく「肩を入れて左手を出すこと」を徹底せよ

上半身で意識することは

  • テイクバックでしっかり肩を入れる!
  • 左手をベースラインと平行になるくらいに出す!

という身体の使い方。

手打ちになっている人の多くは、左手が機能していないんです。

「え、そんな当たり前のこと??」

と思ったあなた。

自分のフォームをスマホで撮影して見てみてください。

びっくりするくらいできていないことに気づくはずです。

ですので、まずはここを徹底的に身体に覚え込ませましょう。

それだけでも手打ちはだいぶ改善されます。本当に。

それができたら、次のステージとして

「左手を使う3つの要素」

に拡張して、さらに理想的なスイングにしていきましょう。

  1. 肩を入れて左手をしっかり出す(本記事の内容)
  2. フォワードスイングを始めるときに左手を身体の近くに引き寄せる
  3. インパクト後まで左手を身体の近くでキープ

詳しくは、さっきもリンクを貼った↓の記事で説明してあります。

big forehand stroke 【フォアハンド強打のコツまとめ】決定力が上がれば世界が変わる!

そこまでできれば、「上半身をバランス良く使った効率の良い打ち方」になりますよ。

下半身:最後の一歩を大きく出して広めのスタンスで打て

下半身は、スタンスの広さを気にしてみてください。

ボールに入る時、足が横着してステップが雑になっていませんか?

これも、手打ちの原因になりますよ。

ほとんどの人は、何となくボールに追いついて何も考えずに打つとスタンスが理想よりも狭くなってしまうと思います。

僕もその一人です。

こうなると、足を使った打ち方ができなくなって、必然的に手打ちになりやすいんですよね。。

そうならないために、

ボールに入る最後の一歩を思ったより大きめに出してみてください。

そうすると、下半身が安定してスイングしやすくなるのを感じるはずですよ。

スタンスはオープンでもクローズでも同じ考え方でOKなので。

noren

足を上手く使えていると、手打ちになりにくいよ

まとめ

今回は、フォアハンドストロークの「手打ち」矯正について

  • 直す前にやること
  • 直すためにやること

の2つの観点から説明しました。

要点をまとめます。

  1. 腕と手首をやわらかく使って、ラケット自体のパワーを引き出すのが先
  2. 手打ちを直す「4つの効果」をイメージしながら練習しよう
  3. 手打ちの直し方① テイクバック~フィニッシュまで、左手をしっかり使う
  4. 手打ちの直し方② ボールに入る最後の一歩を大きく出して、広めのスタンスで打つ

手打ちじゃなく身体全体を効率よくスムーズに使えると、すごくカッコイイ打ち方になります。

気張って大きな力だけを込めようとしないこと。

身体のひとつひとつのパーツを丁寧に使いましょう。

それでパワー伝達の効率をあげることを考えれば万事OKです。

今回はここまで!

またきてね:)

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