「なぜか打つコースを相手に読まれやすい気がする…」
「試合になるとどこに打ったらいいか分からなくなる…」
そう感じている人は少なくないはず。
当たり前すぎますが試合に勝つにはポイントを取らないといけないわけで、そうすると
「頭を使えるかどうか」
もけっこう大きな要素です。
そこで、今回は
相手をゆさぶって試合を有利に進めるための「コース」の考え方
についてシェアしますね。
noren
目次
「ギャンブラーの誤謬」って?
テニスとギャンブル?
なんのこっちゃ
noren
「誤謬」ってなんか聞き慣れない言葉ですよね。
考え方などの間違い(誤り)のこと。
そして、「ギャンブラーの誤謬」というのはその名のとおり
「ギャンブルにハマる人が陥りやすい間違った考え方」
ってことです。
もうちょっと具体的に言うと、
「これだけ連続でハズレてるんだから、次こそは当たるっしょ」
みたいな考え方ですね。
ギャンブラーの誤謬の例としてよく用いられるのが、1913年にモナコのモンテカルロカジノで起きた出来事である。
このとき、ルーレットゲームで、26回連続でボールが黒に入ったのである。
そのため、「次こそは」と赤にかけたギャンブラーは大金を失った。
情報を正しく選択するための認知バイアス事典
第1部 論理学系バイアス
26回連続て…そこまでいったら「さすがに次は赤だろ」ってなりますよね。。
このギャンブラーの気持ちは真っ当なものに思えます。
でも、これは完全に間違った考え方なんです。
2回”連続で”黒が出る確率は1/4。
3回”連続で”黒が出る確率は1/8。
4回”連続で”黒が出る確率は1/16。
5回”連続で”黒が出る確率は1/32。
だが、
5回目に黒が出る確率は1/2。
(もちろん赤が出る確率も1/2)
つまり、黒が出る確率も赤が出る確率も「いつも1/2」なので、連続○回とかじゃなくて毎回予想し直す必要があるってことですね。
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何本も続けて同じコースを狙ってみる
この考え方は、テニスにも応用できます。
何となく察しはついてると思いますが、↓のようなやり方ですね。
- 何本か同じコースを攻め続ける
- 「さすがに次はこっちだろう」と相手に思わせる
- その裏をかいて更に同じコースを狙う
ストローク戦
たとえばストローク戦で考えたら、相手のバック側にひたすらボールを集めてみても良いでしょう。
それだけでも相手からしたら結構イヤなものです。
オプションとしては
打球のスピードとか回転、打ち方に変化をつけながら同じコースに打ち続ける
というのができれば、尚良しですね。
「こういうときはバック側に打ってくるな」っていう予測を立てにくくさせたいので。
↓ 球質の例 ↓
- スピンを多くかけた山なりのボール
- フラット系でスピード早めのボール
- スライス系でゆったりしたボール
↓ 打ち方の例 ↓
- 前に踏み込んで打つ
- オープンスタンスで打つ
- 回り込んで打つ
- 長いタメを作って打つ
- ライジング気味の早いテンポで打つ
そうしているうちに、相手のバックハンドのショットが詰まって若干チャンスっぽくなることが出てくるはず。
すかさず「しっかり打ち込む構え」をして、
「さぁて次はどっちに打つでしょうか??」
的な空気感を出しましょう。
バック側にボールを集められたことでバック側を張っていた相手は、無意識にオープンコートを守りにフォア側に向かう可能性が高いです。
それを見てもう一発バック側に打ち込んでみると、相手は逆をつかれて
- 更なるチャンスボールが来る
- 上手くいけばエースになる
っていうのが期待できます。
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サーブ
サーブも、どこに打とうか迷っちゃうことありますよね。
レベルが高くなればなるほど、重要度が高くなってきます。
ここでも「ギャンブラーの誤謬」を応用してみましょう。
ストロークと同様、ワイドならワイド、ボディならボディ、センターならセンターに続けて集める戦法ですね。
これも、回転や速さを微妙に変えながら打つことができれば尚良しです。
ストロークは状況がさまざまなので「ギャンブラーの誤謬」のように確率論で考えにくい部分があるんですが、サーブはもうちょっとそれに近いと思います。
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ちなみに、たとえばワイドに集めた場合、相手はセンターを大きく開けて
「こっちに打ってきな」
とポジショニングで挑発してくることもあります。
それで打つ直前にセンターに寄って、リターンしやすくしてくるってパターンですね。
そこでも構わずワイドのサーブを狙えば、相手がセンターを予測していれば思いっきり逆をつくことができます。
まずは、自分の軸となる「得意なコース」をひとつ作ることが大事ですね。
やりすぎ注意!コースをバラつかせることも大事
「同じコースに打ち続ける」と言っても、あくまで「攻め方のひとつ」として使ってください。
基本的には、コースを散らすことで読ませないようにしましょう。
でないと、逆に相手に読まれやすくなるキケンが大きくなるので。
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「どっちもある」というのは一応分からせとかないと、「本当にそっちしか打てないヤツ」認定されて心理戦にならないですしね。。
そういう意味では、全部を同じコースに打つんじゃなくて
「ひとつのラリーのなかの何本かに1本だけ違うコースを狙う」
みたいなのも有効です。
もしくは、
- サーブを相手のバック側に集める
- ゲームポイントでだけフォア側を狙う
とかも良い作戦だと思います。
自分なりにアレンジして楽しんでみてください。
もうひとつ注意したいポイントとしては、
「どこにでも打てる状態を作ったうえで同じコースを攻めよう」
というところです。
どういうことかというと、打つコースを決めてかかりすぎるとショットの質が下がることがあるんですよね。
詳しくは↓の記事を参考にしてください。
「セオリーの使い方」と「セオリーよりも大切なもの」さいごに
今回は、論理学をテニスに応用してみよう的なお話でした。
持っている引き出しが多いほど、試合に対する自信が強くなります。
そのひとつとして、この戦法を加えてみてはどうでしょうかね。
個人的には、違う分野をテニスに当てはめて考えてみるのって結構楽しかったりします。
それで言ったら「卓球はテニスに応用できる」と力説した記事もあります。
タッチやセンスを向上させるには卓球が役立ちすぎるお話テニスのメンタルに活かせる「某漫画の登場人物のセリフ」がこちら。
試合直前での最強メンタルは「豆腐屋のオヤジ」が教えてくれた興味があれば覗いてみてください。
今回はここまで!
またきてね:)