ボレーは、言わば「ツンデレさん」。
慣れないうちはツンツンしててとっつきにくいけど、仲良くなっていくとデレてくれます。
そうなると、テニスがまた一段と楽しくなるんですよね。
一向にボレーのコツをつかめなくて心が折れかけている人には、この記事で
「ボレーと仲良くなるための取っ掛かり」
を参考にしてもらいたいです。
noren
これは
僕が実際に「苦手→得意」に変われた体験
がもとになっています。
過去の僕と同じように
- ボレーにすごく苦手意識があって、遠ざけてしまっている
- ネットプレーもやりたいとは思うけど、自信がなくていまだ手つかず
- ダブルスでペアに迷惑をかけたくないけど、いつもボレーミスばかり
というような悩みを持っている人は、今回お話しするコツを取り入れてみてください。
noren
目次
ボレーが「この世の終わり」だった僕
僕は以前、ボレーが「終わってる」ほど下手でした。
高校生~大学生の頃です。
中学で軟式テニス部員だったのもあって、硬式に転向してから長いあいだ、
「コンチネンタルグリップで打つショット」
っていうのが壊滅的にダメダメだったんです。
具体的には、サーブ、スマッシュ、ボレーですね。
ついでに言うと、グリップは違うけどバックハンドもけっこう終わってたかも。
noren
いやぁ軟式だとコレ全部ウエスタングリップで打つんだもん。
ラケットの出し方がいまいち分からないし…
インパクトはスッカスカで弱弱しいし…
そんなこんなで、全然楽しく打てませんでした。
軟式出身者は、たぶん分かってくれるはず。。
そんな僕の唯一のよりどころは、
唯一軟式と全く同じ「ウエスタングリップ」で打てるフォアハンドストローク。
ほんとにこれだけでした。
アンパンマンのマーチっぽく言うと
「フォ♪ ア♪ ハンドだけ~が~友達さ~」状態。
…。
もうスマッシュなんかは、諦めてウエスタングリップで誤魔化してました。
ボレーも、無理してドライブボレーを多用してました。
ゴメンなさい、もうしません。
「ボレーの匠」現る
そんなボレーダメダメな僕が180度変わることができた転機が訪れます。
バイトをサボったら奇跡が起きた
プロフィールのページでもちらっと話を出してますが、それは大学生の時のことです。
たしか当時2年生くらいだったと思うので、硬式テニスを始めて5年目の時ってことになりますね。
当時カラオケでバイトをしていた僕はある日、どうしてもテニスをしたくて
バイトをサボって友人Y君と2人でテニスをしに行ってしまいました。
noren
しかし、偶然にもこれが奇跡を呼びます。
Y君としばらく打っていると、僕らのコートをじっと見る1人の男性がコートの外に。
ひと段落してベンチに行ったとき、なんと僕はその男性に声をかけられました。
「一緒に打ってみないか」
と。
そういうのって初めてのことだったので、ひどく驚きましたね。
せっかくなので打ってもらうことにした僕は、その男性とひと勝負することに。
Y君には申し訳ないけども見学しててもらいました笑
結果はよく覚えてませんが、
すごく上手なテニスに対してワクワクしながら戦った
という、あの感覚はハッキリ記憶してます。
そこで交流が始まって、大学生活の間よく一緒に練習する仲になっていきました。
noren
体験したことのない「巧さ」
その人Fさんは、出会った当時でちょうど40歳くらい。
関西出身で、もちろんバリバリの関西訛りで話す人です。
それまで体験したことのなかった独特なテニスながら、
見ているだけで「打ち方がめっちゃ理にかなってる」というのが感覚的に分かるような「巧(うま)さ」「繊細さ」
がありました。
プレーは、パワーに頼らずオールラウンド。
回転やコースを自在に操ります。
ボレーも明らかに他とは一線を画してました。
- 動きがスムーズで無駄がない
- コントロール抜群
- どんな球が来てもミスらない
そんなボレーを放ちます。
そのプレーに対して、初めのうち僕は得意のフォアハンドで必死に応戦してばかりでした。
しかしある時、僕のボレーの打ち方を見て
noren君、ちょっとボレー変えてみいひん?
との提言が。
この時のアドバイスをきっかけにして、ボレーのタッチがガラッと一新されて、どんどんボレーに自信がついていったんです。
noren
順を追って紹介していきますね。
ラケットを引かずに「足で打つ」
そのアドバイスとは、
「ラケットを引かずに足で打て」
です。
① 「大→小」じゃなくて「小→大」
まず、「引かずに打つ」の意味はこうです。
- ラケットをいっさい引かずに、ボールが来る位置にセットして当てる
- 当てた状態からラケットをしっかり前に出す
イメージとしては下の絵みたいな感じです。
僕のダメなボレーは、
- 打つ前に余計な動きが多い
- 打った後のフォロースルーが小さ過ぎる
って状態だったんですね。
それを
- 打つ前の無駄をそぎ落して、キレイなインパクトにする
- 打った後のフォロースルーをしっかりとってコントロールを良くする
というふうに改める。
つまり、
インパクト前後の動きを「大→小」から「小→大」と逆にする
ためのアドバイスだったわけです。
noren
② 「伸び上がりながら打つ」
もうひとつの
「足で打て」
の意味として、ひとつ補足のアドバイスをもらいました。
伸び上がりながら打ってね
です。
Fさん独自のワードですが、なぜかパワーワードとしていまだに頭に残ってます。
具体的に言うと、↓のような説明でした。
- 「足で」素早くボールに入る(セットしたラケットに当たるように)
- 曲げた膝が伸びていく途中でボールを捉える
「伸び上がりながら打つ」は目から鱗というか、初めての感覚でしたね。
しかし、これがやってみると
noren
ってなりました。
その「打ちやすい」理由は、自分のものになって理解できました。
ラケットを引かずに「膝の使い方とフォロースルーだけ」でボールを運ぶ
ことで、
- ボールを真芯で捉えてラクに飛ばす
- 捉えたボールを長く持って安定させる
というのができるからなんです。
この「ボールを持つ」というのもFさんから教わったことなんですが、
「ラケット面とボールが接している時間を長くする」
って意味です。
「ホールド感」って言い換えても良いかも知れません。
パワーとコントロール、結局どっちのほうが大事なの的な話
今でもボレーに限らずあらゆるショットにおける僕の信条になっているくらい、「ボールを持つ」は重要だと感じています。
ということで、
- ラケットを引かずに、セットして当てる
- フォロースルーを前にしっかり取る
- 素早くボールに入って、「伸び上がりながら打つ」
というのが、僕の壊滅的なボレーを救うアドバイスでした。
僕はこれによって身体の動き方がガラッと変わって、
打った時に感じるタッチも大きく変わりました。
noren
これをずっと続けていくなかで
「自分なりに発見したポイント」
もあるので、ここからはそれも一緒に紹介しておきますね。
ボレーが安定する秘訣は「回転」
ボレーは、
「気持ちスライス回転をかける」意識をすると安定します。
どのショットでも、ラケット面は基本的にボールに対してまっすぐ当てに行くことが大切。
ボレーも例外ではなく、ボールを厚い当たりで捉えましょう。
大事なのはその後。
打ったあとは、
インパクトの時よりも少し面を上向きにしていくイメージ
でフォロースルーをとりましょう。
noren
回転は、かけすぎても無さすぎても安定しにくいんです。。
- 回転を強くかけたボレー
- 完全にフラットで叩くボレー
というのは、使わないこともないんですが意外とトリッキーなショット。
いきなり色々やろうとすると混乱するので、ボレーに自信がつくまではあんまりやらないほうが賢明です。
なので、さっきの話のとおり
- ラケットを引かずにセット
- 足を使いつつ、ボールにまっすぐ当てる
- 面の向きをキープするか少し上向きに持っていく
と、最初はあくまでシンプルな動きを徹底してください。
この面の向きの話、一見
noren
って言いたくなる人も多いかも知れません。
その気持ちは分かりますが、特にこんな場面では注意してほしいんです。
- 打点が高いとき
- 打点が低いとき
- 打点が遠いとき
- 打点が近いとき
体勢や打点によっては、思ったより簡単なことじゃないんですよね。
どんな体勢・打点でも、打ちたいほうに向けて面の向きをキープしたままフォロースルーをとること。
これができれば、ボレーがすごく安定して球際にも強くなりますよ。
ボールを持つ感覚を身につけたら、動きを大きくしてもOK
ここまでは、あくまでツンデレさんにアプローチする「取っ掛かり」の部分。
ラケットを全く引かずに当てる(足とフォロースルーだけで打つ)
というところから始めましょう。
僕もそれでリフォームができて、大きく改善されました。
しかし、実はそれで終わりじゃなく次のステップがあるということに気づいたんです。
それは
テイクバック~スイングの動きの大きさは、状況に応じて自由に変えても良い
ってことです。
- 相手のボール
- 自分がやりたいこと
ただし!
これはさっきお話しした
「ボールを持ってコントロールできる感覚」
が掴めて、自分のものになってきてからにしてください。
noren
例として、動きを大きくすると良いケースを2つ挙げておきます。
① 遅いボールに対しては動きを少し大きめに
相手のボールが「フワッ」として遅い。
それをしっかり打って重いボレーを放ちたい。
そんなときは、
- テイクバック
- 足の踏み込み
- フォロースルー
を大きめにすると、よりコントロールできます。
そうしたほうがインパクトで「ボールを持てる」ので。
② ドロップボレーを打ちたいときは意外と大きめに動かして良い
僕は昔、ドロップボレーを打つためには
- 打ったあとラケットを「止める」
- 打ったあとラケットを「引く」
みたいな打ち方が正しいと思ってましたが…
これは間違っていました。
「しっかり振ったら、ボールが飛びすぎちゃうじゃん!」
ってなりますよね。
僕もそう思ってたんですが、違ったんです。
しっかりとラケットを前に出すぶん、インパクトのときの面を「上に向ける」ことで勢いを殺す
というのが◎。
詳しくは↓の記事を覗いてみてください。
ドロップショットのコツを掴める簡単練習法!プレーの幅を広げようnoren
まとめ:ボレーが得意になると世界が変わる!
今回は、
「ボレーが全くダメ」だった僕がどうやって「ボレーが得意」になったか
についてご紹介しました。
要点をまとめます。
- ボレーは、取っ掛かりを掴めばどんどん楽しくなる
- まずは、「気持ち良いインパクト」と「ボールを長く持つ感覚」を掴む
- そのためには、ラケットを引かずに、「セットして当てる」を意識
- 「膝の使い方とフォロースルーだけ」でボールを運ぶ
- 「ヒザの使い方」=「伸び上がりながら打つ」
- どんな体勢でも常に面の向きをキープすることで、ボレーは安定する
- コントロール感が掴めたら、動きの大きさを自分好みに調整してOK
ぜひ、ツンデレなボレーさんを振り向かせてください。
仲良くなれると、ほんとうに強力な味方になってくれますよ。
シングルスでもダブルスでも、ボレーを自由に織り交ぜられるかそうでないかは大きな違いになってきます。
「強さ」の面でも、「楽しさ」の面でも。
取っ掛かりさえ掴むことができれば、コツはどんどん分かってくるので安心してください。
今回はここまで!
またきてね:)