テニスをしていると、「セオリー」って言葉を耳にすることがちょくちょくありますよね。
ゲームでの戦術や動き方として、
「ここに打ったら次はこうなるから、この位置へ動いてこうする」
みたいな類のものですね。
でも正直、
noren
って思いません?
そうならないことも多いし、アテにならん気がしてました。
と言っても、学生の頃からいろんなセオリーを人から学んだり自分で試行錯誤してきたわけですが…
その結果今になって感じているのは
- 机上で学んだ理論よりも、自分で見つけた法則のほうが使える
- セオリーよりも、自由なプレーと対応力のほうが試合では大事
ってことです。
そこで今回は
「試合でポイントが取れるセオリーを知りたい!」
と思っている人に向けて、
- 「これだけは知っておくと便利だよ!」というセオリーのお話
- 「セオリーにこだわり過ぎは危険だよ!」というお話
をしていきます。
先に断っておきますが、セオリーを否定する意図は全然ありません。
タクティカルなテニスができると強いのは間違いないです。
その上で
「逆に上手くプレーできなくなるくらいだったら、そんなに意識しなくても大丈夫だよ」
という前提で話を進めていきますので、ご承知おきを。
目次
知っておくと便利なセオリーとその使い方
まずは、
noren
という戦い方のセオリーの説明から。
上級に近くなってくるほど通用しないことも増えてきますが、基本的には覚えておいたほうが良い戦法です。
① センターセオリーを利用して先回りする
「センターセオリー」。
これ自体はあらゆるところで論じられているモノなので、今さら僕が解説するのもなんですが簡単に説明しておきます。
- ネットは端より真ん中のほうが低くなってるから、センターやクロスに打つのが安全だよ
- 相手コートの真ん中に打ったほうが、サイドアウトの危険が少なくて安全だよ
- 相手コートの真ん中に打ったほうが、相手が角度をつけにくいから守りやすいよ
これはつまり、「守備をしようとする相手がストレートに打ってくることは少ない」ってことです。
ここで大事なのが、その「一手先」を行くこと。
つまり、自分が守りたい時に使うだけじゃなくて、
相手がこのセオリーで打ってくるのを利用しましょう。
↓のような考え方です。
- こちらが攻撃したら、ややクロス側に張っておいて次の攻撃の準備をする
- 追い込み具合によってはネットに出て、相手が打てるコースを更に狭める
フェデラー選手も、こんな戦い方をしてるのをよく見かけます。
ダウンザラインに攻撃
↓
相手にクロスのカウンターを打たせて、自分もクロスに寄る
↓
すかさずライジングでオープンコートに攻撃して前へ!
ミスをしないことは大事ですが、センターセオリーを使って守ってばかりじゃ面白くない。
自分から攻撃していきましょう。
② 相手がスライスの構えをしたらボレーのチャンス
恐がらずに、ネットは積極的に使いましょう。
こちらが相手のバック側に打ったとき、相手の体勢に注目してください。
もし「スライスの構えをしてる!」って分かったらチャンスですよ。
もちろん全部が全部出られる状況ではないですが、
チャンスを伺うこと。
これはめちゃくちゃ大事です。
「相手がボールに気を取られてる!今なら不意をつける!」
っていうタイミングは、必ずあるもんです。
相手をよく見て素早く動ければ、それだけ成功率は高くなりますよ。
noren
「いけるかいけないか」
の判断は、何回も試していけばコツが掴めてきます。
とにかく身をもって実験してみるのが大事。
③ リターンが上手い相手にはボディを中心に狙う
サーブは、センターとかワイドの「厳しいところ」を頑張って狙いたくなりますよね。
ある程度相手と力量の差があればそれで良いんですけど、一定以上のレベルのプレーヤーには逆効果になることも。。
中途半端なコースは強打の餌食になるわけですね。
そこで覚えておくべきなのは
ボディへのサーブ。
身体の正面にきたボールっていうのは、そんなに良いサーブじゃなくても案外攻め込めないものなんです。
「それこそ甘くなりそうでコワイ…」って気持ちもすごく分かりますよ。
僕も格上相手にボディサーブは正直ハラハラものです。
そこで、次のポイントを意識することをオススメします。
- フラットではなくスライス回転をかける
- ボディでも若干バック側寄りを目がけて打つ
こうすると、相手は食い込まれてしっかりとしたスイングができなくなります。
最悪どちらか片方だけでも良いので、試合でも再現できるように練習していきましょう。
セオリーを追究しすぎても強さにつながりにくい
セオリーを「知らないより知っているほうが良い」というのは、もちろん否定の余地がありません。
ポイントを取れる可能性を広げられるのは間違いないです。
とは言っても、
あまりにセオリーに固執して追究し過ぎるとテニスの上達を妨げるおそれがある
と考えてます。
理由はいくつかあります。
① やることを決め過ぎるとコントロールも威力も落ちやすい
打つコースや動き方を最初から決めてかかりすぎると、
ボールの引きつけが不十分なまま打ち急いでしまいやすい
という危険があります。
そのリスクを避けるためにも、
「どこにでも打てるぞ!」
という状態を常に作る意識が本当に大事。
これは、もう本当に本当に大事です。
そのためには、相手のボールに素早く反応して良い位置に入ることを最優先に考える必要があります。
noren
② 細かいセオリーを覚えてもコスパが悪い
テニスでは、ある程度似たような状況は起こっても、「全く同じ」状況は皆無。
- 打球のコース
- ボールの回転の種類
- ボールの高さやスピード
- サーフェス
- 相手の特徴
やら何やらを掛け合わせると、状況は無限に存在します。
細かいセオリーを覚えても、使える頻度はそう高くないんですよね。
そのぶんの意識を他のところに向けたほうがメリットが多いと感じます。
noren
③ 余裕をもらえる相手ばかりじゃない
緻密に練り上げた作戦を常に実行できるほど、試合は甘いもんじゃありません。
レベルが上がれば上がるほど、一球一球を事細かに組み立てられる余裕を相手からもらえないですしね。
- テンポやスピードの速いボールで攻撃される
- こちらの嫌がるところにボールを集めてくる
なんて状況が多くなってきます。
そのため、試合では
いかにそれらに対応して主導権を相手に渡さないか?
のほうがカギを握ってきます。
④ 上手な相手ほどセオリーの裏をついてくる
レベルの高いプレーヤーほど、セオリーを逆利用したプレーができます。
一般的なセオリーというのは、
- 体の構造上そうなりやすい
- そうしたほうが安全
- そうする人が多い
というものを利用して立てられたものです。
上手な人は、上手く身体を操作して、そのセオリーと逆の行動を取ってくるわけです。
つまり、あくまで「そうなりやすい」ってだけであって、絶対的な信頼を置くのは危険。
⑤ 相手によってはセオリー通りでないほうが有効なこともある
セオリーにこだわるとチャンスを逃すこともあります。
例えば、最初に取り上げた「センターセオリー」。
「相手が角度をつけにくいように、サーブをセンターに集めよう!」
それって本当にいつも必ず最善策なんでしょうか?
ワイドに振られたときの返球のほうが苦手な相手もいるかも知れませんよね。
フォア・バックの得意・不得意も人によって違います。
「セオリーを意識し過ぎると、視野が狭くなって状況に合わせたプレーができない場合もある」
というのは念頭に置いておきましょう。
noren
セオリーも良いけど「目の前に見えているもの」への対応力も重視しよう
ここまでお話ししたとおり、セオリーは目的じゃなく手段。
あくまでポイントを取る確率を上げるために使うものですよね。
セオリーに意識を捕らわれるあまりポイントが取れなくなってしまっては、本末転倒。
その意味では、パターン化することを考えすぎずに、
- その場の状況・相手の動きを見て、柔軟に対応できること
- 自分の得意なものを軸にして判断基準を作っていくこと
というのが凄く大切です。
順に説明しますね。
「何でも来い」という自信が強さや楽しさにつながる
「こうなったら、こうしてああする」
と細かい予定を立てるよりも、
「何が来てもどこへだってコントロールしてみせる」
という自信を持てたほうが試合で強い、って感じます。
ある程度はパターンを持っておくことも大事ではあるものの、それ以上に大事なのが
攻守にわたって自由にプレーできる「対応力」
です。
これを磨いていって「地力」が強くなってくると、細かいセオリーを覚えたい気持ちは正直薄らぐほどの自信になります。
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そのために必要なことは↓の記事で詳しく解説してますので、興味があれば覗いてみてください。
余談ですが、僕はこのセオリーの話を四則計算に例えることがあります。
たとえば、「1+2×3-4=3」っていう計算式があったとしますよね。
もし「+」とか「×」の意味を知らずにこの式を覚えたとしたら、
「この場合の答えは3だ!」は分かります。
でも、それ以外のパターンが来たときに全然対応できません。
これが、セオリーを重視し過ぎている状態に近いと思うんです。
いっぽう、式そのものだけじゃなく「+」とか「×」の意味・使い方をマスターした場合はどうでしょう。
他にどんなパターンがきても対応できますよね。
これが、自由なプレーができて対応力が高い状態に似ています。
もちろん、セオリーを知っておいたほうが便利なこともあります。
たとえば「15×16=??」っていう計算があったとしたら、
「15×10+15×6」って分けて考えたほうが
「150+90=240」って簡単に計算できますよね。
そうやって、
「便利で使えるセオリー」は駆使しつつ、一つひとつのショットを磨いて対応力を高める
っていうのが一番強いと、個人的には感じてます。
noren
自分の「得意」を活かすことでリズムが良くなる
ポイントを取る作戦を考えるとき、一般的なセオリーだけじゃなくて
自分が得意なものを主軸にする
ことも優先的に考えたほうが良いです。
例えば、僕は高校の頃はフォアハンドしか武器がありませんでした。
それでも個人戦でシードがもらえるくらい実績を残せたり、団体戦でシングルス1を任せられていたのは、
フォアハンドをいかにたくさん打つかを考えていた
というのが要因のひとつでした。
例えばシングルスのサービスゲームで、
サーブを相手バック側に入れる
↓
すかさずフォアに回り込んで、左右どちらかに強打
↓
フォアで攻撃し続けて、甘くなったら前に出る
↓
簡単なボレーを決める
というのを頻繁にやっていました。
当時はフォアしか頼れるものが無かったので、きっと自然にそれが軸になっていたんだと思います。
そんなふうに、迷いのないプレーは自分のリズムを作ります。
いろいろ考えすぎるよりも、シンプルに自分の長所を活かしたほうが良い場合もよくあるんですよね。
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そこにフォーカスすると、試合の中で
「今このショットであそこに攻撃できる!」と素早い判断
ができるんです。
それによって自分の中でリズムが良くなって、メンタル的にも積極的になれます。
まとめ:セオリーと自分なりの自由なプレーの両方を大事に!
今回は、使えると便利なセオリーと、セオリーに頼らないテニスの価値について解説しました。
大事なポイントをおさらいしましょう。
- 一般的なセオリーは、「相手がそれを使ってくるのを利用する」視点も大事
- セオリーにこだわり過ぎると、ショットの精度が落ちることがある
- セオリーにこだわり過ぎると、それを逆に利用されることがある
- レベルが上がるほど、セオリーが通用しない・余裕が無い場面が多くなる
- どんな場面でも自由にプレーできる対応力を重視したほうが強い
- 自分の得意なものを活かす意識によってリズムが良くなる
自分なりのセオリーやアイデアを見つけていくのも、テニスの楽しみ方のひとつです。
そういう意味でも、自由な発想と自由なプレーを大事にしていきましょう。
今回はここまで!
またきてね:)