ゲームを有利に進めるためには、攻撃力は絶対に必要。
確かに強くなるには「堅さ」も磨く必要があるし、実際守りを固めるだけも「ある程度のレベル」までは勝てます。
でも、レベルが上がっていくと
- 相手もミスが少なくて、ラリーを続けてもラチが明かない
- 攻撃力のある相手に対して、もはや守り切れない
という場面が増えて、壁にブチ当たるはず。
より上のレベルに行くためには、やっぱり攻撃力を高める必要があります。
自分から攻撃できたほうがテニスがより楽しくなりますしね。
そこで大きなカギを握っているのが、
フォアハンドストロークの決定力。
フォアハンドを軸に攻撃できるだけで、楽にポイントが取れて試合を有利に進められます。
ちなみに、プロの世界では今の時代
「ビッグサーブ&ビッグフォアは標準装備」
と言われているくらい、無くてはならないスキルになっていますね。
noren
「攻撃力が足りない」と悩んでいる人たちからは、こういう声がよく聞かれます。
- チャンスボールが来ても、イマイチ決めきれずにチャンスを無駄にしてしまう…。
- ロブや中ロブの応酬になってきたときに、どうにも打開できずラリーに決着をつけられない …。
これを解決するために、今回は
決定力のある力強いフォアハンドのコツ
についてお話しします。
noren
ちなみに、フォアを「高い打点で叩く」ための方法についての記事も用意してあります。
本記事をチェックしたあとで、良ければこちらもどうぞ。
「フォアハンドを高い打点で叩くための秘訣」4選※記事の途中、「左右」を表すものは「右利きの場合」で説明しています。サウスポーの方は左右逆にして読み換えてください。
目次
リラックスは大事だけど、力を抜きすぎないで!
まずひとつめのポイントですが
インパクトとその前後の一瞬の間だけ、ラケットの動きに合わせて「クッ」と力を乗せましょう。
リラックス「しすぎ」も「しなさすぎ」も良くないんです。
身体を柔らかく動かすことは確かに大事
フォアに限らず、
noren
なんていうのはそこら中で耳にしますよね。
「そんなん100年前から知っとるわナメとんのか小僧」って話だと思います。
この「リラックス」は基本的にはめちゃくちゃ大事です。
「パワーのロス」というラスボス級のデメリット
に打ち勝つためです。
「強く打つぞ!」
という気持ちが前に出すぎて力んでしまうと、そのぶんだけ身体の動きが硬くなります。
その結果、気持ちとは裏腹にスイングは鈍くなって、伸びの無いショボイ打球になってしまいます。。
- ボールに良い回転がかからず、コントロールが定まらない
- ボールの軌道が安定せず、アウトやネットが多くなる
- 体力を余分に消耗する
厄介ですね。。
ですので、基本的には身体の力を抜いてリラックスしましょう。
特に
首~肩~肘~手首が自由に柔らかく動くイメージ
を持つと良いですよ。
これは、ボールに効率よくパワーを伝えるためにキモとなる部分です。
noren
かといって「力を完全に抜けばOK」ではない
ただし、強いボールを打ちたいからといって
ただひたすら脱力していればいいというわけでもない
ことに注意してください。
イメージとしては
インパクトの直前から「ラケットの動きを後押しする」ようにして、ラケットヘッドを加速させます。
するとインパクトでスイングの「ピーク」が来て、ボールをしっかり叩くことができます。
noren
僕自身も、調子が下がっている時はこのメリハリがなくてスイングが鈍っていることがあります。
これって
- 要らないところで力が入ってしまっている
- 必要なところで力を入れられていない
というような状態なんですね。
こうなってしまうと、フォアハンドの威力や安定度は激減してします。。
苦手意識が芽生えないうちに正しい力の入れ方を身につけよう
なので、インパクトに向かう一瞬の間は怖がらずに力を乗せてしまいましょう。
「当てるだけ」じゃなく、「しっかりとしたスイングをする」こと。
リラックスできていれば、そのほうが威力も安定も手に入って一石二鳥です。
左手(非利き手)の3つの役割を体感しよう!
「左手(非利き手)が大事」というのも、よく聞きますよね。
これは本当にその通りです。
そしてこの左手の使い方ですが、
役割は3つあります。
どれも全て、力強いショットを放つために超大事なポイント。
プロを見ていると分かりますが、どの選手も必ずやっていることですよ。
① テイクバックで肩を入れて左手をしっかりと出し、ボールを呼び込む
テイクバックでは、
左腕がベースラインと平行になるくらいに肩を入れる
というのが鉄則。
左手は、左肩よりも後ろ側に来てもいいくらいです。
意識のしかたとしては
- ボールを左肩越しに見る
- 右半身が完全に後ろ側に来るようにする
というイメージを持つと、自然と理想的な形になりますよ。
これって、意外と自分で思ったよりできていないものです。
「どうしてこの姿勢がそんなに大事なのか?」
というと、その理由は2つ。
- フォアハンドの基本は「身体の回転運動を使って打つこと」だから
- 「ボールを待ちきれずに打点が前になり過ぎて、力が伝わらない」を防ぐため
左手の出し方が不十分だと、インパクトに向かって十分なラケットヘッドの加速ができません。
上体の回転運動を使えないからです。
また、インパクトで「身体が開きすぎ」になってしまいやすい傾向もあります。
そうなると、パワーが逃げてしまう上に、面が安定せずにガシャりやすいんですよね。
これらの結果として、本来出せるはずのパワーが出せず終いに。
さらに言うと、
ボールを呼び込めていないと打つコースを相手に悟られやすい
というのも大きいです。
ダブルスで「前衛のポーチに捕まりやすい」と感じる場合、これが原因かも知れませんね。
しっかりとボールを引きつければ、打つコースを隠せて相手の反応時間を奪えます。
noren
② 出した左手を身体に引き寄せて、インパクトをブレにくくする
左手の役割は、テイクバックだけでは終わりません。
テイクバックからフォワードスイングに移るタイミングで、左手をグッと身体の近くに引き寄せましょう。
せっかくテイクバックで左手を上手く使えても、そのあと「ほったらかし」ではいけません。
インパクトでの当たりが弱くなって、威力が下がってしまいます。
コツとしては、
- 左ヒジを手前に引いてくる
- 左手が左胸の前あたりに来るようにする
というイメージを持つと良いです。
人によってやりやすい形は違うので、あまり細かく気にせず「だいたい」でOK。
大事なのは、この動きをすることによってインパクトがブレにくくなるということ。
目線をしっかりと打点に残しながらこれをやると、ブレずにほぼ100%無駄なく力が伝わる感触をつかめるはずです。
あくまで、その感覚が得られることが目的。
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③ そのままフォロースルーまで左手を身体から離さない
ここまでの流れでしっかりとしたインパクトができたら、
そのまま最後まで左手を身体の近くでキープしましょう。
フォワードスイング~フィニッシュで左手を身体の近くにとどめておきます。
これには、
軸(身体)の回転運動が鋭くなる
↓
ラケットのヘッド側が「ビュンッ」っと鋭く走る
↓
当たりが良い「力強いボール」になる
という効果がありますよ。
これは、フィギュアスケートのスピンと同じ原理です。
選手がスピンするときに両腕をグッと身体に引き寄せると、回転がすごく速くなりますよね。
ものすごく簡単に言うと、
「回転半径が小さくなると回転速度が上がる」
ということのようです。
子供のころ、
- 回る椅子を使って、勢いをつけて回る
- 脚を折りたたむと回転が速くなる
- 脚を伸ばすと回転が遅くなる
っていうのを面白がって遊びませんでした?
これも一緒の話ですね。
とにかく、フォワードスイング以降は「左手の位置は身体の近く!」を意識しましょう。
noren
厚い当たりは力強いショットの基本中の基本!
威力のあるフォアハンドストロークは、厚い当たりからしか生まれません。
もちろん、若干のスピンはかけたほうが安定しますが、
その場合でもインパクトの瞬間はボールを厚く捉える意識が大切です。
レベルの高い人はみんな基本的に当たりが厚いです。
- メインは厚い当たりの力強いショット
- 状況(相手のタイプとか)に応じて回転を使う
というのが、高いレベルを目指す上で大切だと思ってます。
そのため、ラリーの練習をするときは、山なりじゃなくて
「ボールを真っすぐ捉えて直線的な弾道で打ち合う」
というのも意識することをオススメします。
厚い当たりで打つために意識することは、次の2つ。
① ボールを「持つ」ように打ち放つ
「インパクトの時にラケットフェイスが地面と直角になっていること」が必要です。
打ちたい方向に向かってボールを真後ろからラケット面に「べチャッ」とくっつける
という意識で打ちましょう。
そのあと、前に押し出しながらボールを「持つ」イメージ。
そのために、テイクバックからフォワードスイングに向かうときにラケットヘッドを落とし過ぎないようにしましょう。
ラケットをボールの下から入れてしまうと、必然的に薄い当たりになります。
というか、当たりを薄くするか弱く打つかしないと、ボールがコートに入らないです。。
意図的にスピンをかけたいときはそれでOKですが、
「バコーン!」という音が鳴るような力強いフォアハンドを打つのには適していません。
こうして当たりを厚くできれば
- ボールの威力が増す
- コントロールも良くなる
- ガシャりにくくなってインパクトが安定する
と、メリットがたくさんあります。
「インパクトでボールを長く持てたほうがコントロールが安定する」
というのは、ストロークだけじゃなく全てのショットに通じる基本です。
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② ボールを「ビンタ」するように叩く(noren的イチオシ)
フォアに威力がないと悩んでいる人に多く見られる特徴として、
スイングの時に手首が返っていない
ということがあります。
手首のスナップが利いていなくて、いわゆる
「ワイパースイング」
の動きが強いんです。
これだと厚い当たりにならず、「ひょろっ」としたボールになってしまいます。
パワフルなフォアを打ちたいなら、フロントガラスを掃除している場合ではありません。
どうしてもワイパーになってしまう方へ秘策をお伝えします。
ボールをラケット面でビンタしてください。
美しく強烈なビンタって、手首のスナップが利いてますよね。
頭の中で想像してみると、
- 振り始めは手首が先行して指先が遅れてくる
- ターゲットとなる頬に到達する前に手首が少し返っていく
- 「バチン!」と頬に対して真っすぐ当たり、クリティカルヒット
- さらに手首が返りながらフォロースルー
- 指先が先行した状態でフィニッシュ
という流れになっているはずです。
無理やりワイパースイングでビンタすると、頬に当たったあと指先が上を向くわけですが…
そんなフォームのビンタは見たことがありません。
厚い当たりのフォアのスイングは、まさにコレと同じ原理です。
この意識で打てば、自然と良いリストワークができてワイパースイングを矯正できるはずですよ。
フォロースルーは大きく、ラケットは最後まで振り抜く!
できるかぎりフォロースルーは大きく取りましょう。
といっても、ここまでで説明した
- 身体の回転を使って打つ
- 左手を身体の近くに引き寄せてキープする
- 厚い当たりで後ろから前へボールを打ち出す
というのができていれば、フォロースルーは自然と前に大きく取れるはずなのでご安心を。
「フォロースルーを小さめにしてコンパクトにスイングする」
という場合もあるんですが、それはあくまで速いボールに対して時間が無いときにブロック気味に打つケース。
基本のスイングではないんですよね。
十分に構えてしっかり打てるボールなら、横着せずにオーソドックスに打つクセをつけたほうが良いです。
普段からその意識があれば、いざ厳しい体勢になってもしっかりと振り切れて、返球が甘くなりにくいですよ。
フォロースルーのあとのフィニッシュは、ラケットを身体に巻き付けます。
ここはあまり難しく考えなくてOK。
力まずスイングを止めないようにして自然に振り抜きましょう。
すると、右利きならグリップを持つ手が左肩~左腰あたりに来るようなフィニッシュになるはずです。
右足(軸足)を蹴り出す力を利用して打つ!
ボールに力強さを出したいのであれば、
フォワードスイングに向かう時に軸足となる右足を蹴ること
を意識しましょう。
それによって
- ボールに体重を乗せることができて、重いボールになる
- 身体の回転運動がより鋭くなって、ボールのスピードが上がる
という2つの効果が得られます。
これは
- オープンスタンスで打つとき
- クローズドスタンスで前に踏み込みながら打つとき
どちらも同じことが言えます。
軸足を蹴ることができていない人が結構多いんですが、これはかなりもったいないです。
上半身よりも大きい、脚の筋肉を使ったパワー。
それを封印してしまっているような感じです。
プロ選手や上手な人を見ていると、
フィニッシュで軸足が後ろのほうで宙に浮いたような形になっている
というシーンをよく見かけませんか?
その場で構えてしっかりと打ち込むときは、あんな感じで打てると理想的です。
ちなみに、ネット際の簡単なチャンスボールだったら
足の動かし方は適当でもボールを強く叩いてポイントを決めることは可能
です。
ひっぱたくコツさえ掴めば、歩きながらでもできます。
noren
まとめ:フォアを武器にできると戦い方に軸を持てる!
今回は、テニスの中でも最上級の重要度を誇る
フォアハンドストローク
の決定力を上げる方法について解説しました。
大事なポイントをおさらいしましょう。
- 肩、首、肘、手首から余計な力を抜いておく
- スイングスピードのピークがインパクトに来るように、力を乗せていく
- 左手をしっかりと出して、ボールを左肩越しに見ながらしっかり呼び込む
- フォワードスイング開始と同時に左手を身体の近くに引き寄せる
- 厚い当たりで打つには、ラケットヘッドを落としすぎず、ボールを真後ろからとらえる
- ワイパースイングになってしまう場合は「ボールをビンタする」を意識
- フォロースルーは大きく取って、フィニッシュはラケットを身体に巻きつける
- フォワードスイングに向かうタイミングで軸足を蹴って、そのパワーを利用する
全部をいっぺんにやろうとする必要はありません。
一つひとつ動きを確認しながら、じっくりマスターしていきましょう。
フォアハンドを強化できると、今までチャンスボールでなかったものがどんどんチャンスボールに変わっていきますよ。
アグレッシブな気持ちとショットで、相手を翻弄していきましょう。
今回はここまでです!
また来てね:)
高い打点のストロークはどんなグリップの握りが最適でしょうか?私はセミウエスタンで通常のストロークをしていますが高い打点がやりづらい気がします。バックハンドはダブルハンドで高い打点でも打てます。ボレーはコンチネンタルで打っています。norenさんの高い打点でしばく時のグリップを教えてください。
ぽぽちゃん さん
コメントありがとうございます!!
高い打点のフォアハンドですが、やはり薄いグリップよりも厚めのグリップのほうが適していますね。僕はフォアハンドを打つときは常に「ウエスタングリップ」で、高い打点でしばくときもグリップは変えていません。
ただ、グリップの呼び方については人によって解釈の差があったりしますよね。
具体的には、「ラケットを地面に置いたときのグリップ上面の左側のカドに手のV字の谷がくる」握り方です。(伝わるでしょうか……?)
人によってはこれを「セミウエスタン」と表現されますね。(ラケットを地面に置いて上から握ったときの具合も人によって微妙に違うので。。)
一般的にはこのくらいか、もしくはもう少し厚くして「平面の真ん中にV字の谷がくる」握り方くらいが高い打点のフォアハンドには最適だと思います。
それよりも厚く握ってしまうと、さすがに厚すぎますね。これだと当たりが薄くなって(「グリグリ」になってしまう)、インパクトに力が入りにくいしガシャりやすくなるので、僕からはおすすめしません。
ぽぽちゃんさんのおっしゃる「セミウエスタン」が僕の握り方よりも薄いのであれば、高い打点は確かに少し難しくなるかも知れませんね。
その場合はさきほど説明した握り方を試しながら調整してみてください。
もしそうでなければ、手首をやわらかくして「ビンタ」するようにひっぱたくことと、打点が前になり過ぎないようにしっかり引きつけるのを意識してみてください。
P.S.
難しい「高い打点のバックハンド」をしっかり打てているのはスバラシイですね!
ボレーも、コンチネンタルグリップはオーソドックスで良いと思います。僕もそのワングリップでフォア、バック共に打ってますよ。
ご返信ありがとうございます!
厚いあたりでいいボールでしばける打点とグリップ探してみようと思います!
norenさんみたいにグリップ変えずに自分は打点で調整するのが早道かと思ってます。どこでビンタしようかな~笑
ありがとうございました!