テニスの上達を目指すとき、アプローチは主に3つあります。
- 人から教わる
- 自己流で覚える
- 誰かのマネをする
このうち、初心者から上級者までどんなレベルでも取り組みやすいのが
③の「誰かのマネをする」
です。
これは、誰でも上達の近道を通れる最高の手段。
僕はこのサイトで
noren
という話をしています。
ところが!
一般的には
「細かい部分だけマネしても意味が無い」
と言われることが多いんです。
これについて、今回は「上手な人のマネをする」ときの考え方として
- 細かい部分こそ取り入れよう!
- 全体のイメージは必要に応じて取り入れよう!
というお話をしていきます。
目次
なんで「部分的なマネは意味がない」と言われるのか?
この
「細かい部分だけマネしても意味が無い」
という考え方。
この意見は、ほんとに至る所で見聞きします。
その理屈は
- スイング全体の流れが大事
- だから、一部分だけ切り取ってマネしても無駄
- むしろ「スイング全体の流れ」が悪くなる
- 結果、理想的なショットは打てるようにならない
というもののようです。
でもそれって、本当にそうなんでしょうか?
僕の経験から言うと、これは
「一理あるけど、正しいとは限らない」
です。
確かに
- スイング全体を一つの「流れ」として、まるごと取り入れる
- リズムとか雰囲気を大事にして、自然な流れで打つ
っていうのも、効果的だし大事なこと。
それは同意します。
でも、「一部分だけ真似てみる」のも
同じくらい、いや、むしろそれ以上に上達につながる
ことなんです。
「部分的なマネ」からしか得られないものがある!
たとえば、「サーブ」を例にとってみましょう。
これを「今よりパワーアップさせたい」「安定させたい」などと思った場合、
何かを変える
必要がありますよね。
同じように打っていては、結果は変わりません。
じゃあ、「何を変えようか?」って話になりますよね。
そこで
noren
と、ある程度は「具体的にやること」を決めないと打ち方は変わりません。
何かを意識しないと何も変わらないんです。
サーブを細かく見ていくと、たくさんの要素があります。
それらすべてが、「試しに変えてみるポイント」になるわけです。
- 構えた時に、足をどのくらい広げるか?
- 構えた時に、両足をどのくらいの角度で置くか?
- 構えた時に首や顔の角度をどのくらいにして相手コートを見るか?
- トスを上げる時に、後ろ足を前足に寄せるか寄せないか?
- トスを上げる前に、ボールを持った手をどのあたりまで下げるか?
- トスを上げる時に、ラケットを持つほうの腕をどうやって運ぶか?
- そのときのラケットの形はどんなふうにするか?
- トロフィーポジションで、身体の捻り具合はどのくらいにするか?
- トロフィーポジションで、左手をどの方向に向けておくか?
- トロフィーポジションで、ラケットをどんな角度で持っておくか?
- トスの高さとタメの長さはどのくらいにするか?
- 打ちに行く時に、左手はどの位置に持っていくか?
- インパクトで、上体や顔の向きはどのくらいにするか?
- フォロースルーで、ラケットをどんな方向にスイングするか?
- フォロースルーで、足をどんなふうに運ぶか?
- トロフィーポジション~フィニッシュで、どのくらい身体を回転させるか?
こういう細かいところでも、
- 何かひとつ変えただけで感触がガラっと変わる
- 自分に合った打ち方のヒントを掴める
ということはよくあります。
更に続けていくと、
noren
っていう理解が、頭の中で明確になっていきます。
この「明確に」が重要。
これは、さっきも言った
noren
という具体的な意識がなければ得られないものです。
そして、
noren
という明確な理解がなければ
真に上達したとは実感できない
はずなんです。
なぜなら、感覚を頼りに「流れ」「雰囲気」を重視してばかりだと
- 「上手く打てている」「思いどおり打てない」時の要因が分からない
- 調子が崩れた時に戻し方が分からない
という状態が続くから。
つまり、「良い状態」が「一時的なもの」になりやすいってことです。
バランスよく、「良いとこ取り」しよう!
誤解のないように言っておくと、
「全体の流れや雰囲気を意識する」
というのもすごく大事なのは間違いありません。
細かい部分の意識だけではカバーできない部分のメリットを得られるからです。
要は、バランスが大事です。
「全体の雰囲気マネ」の長所・短所
- 動きにリズムが生まれやすい
- 運動連鎖を自然にやりやすい
- プロっぽい動きだと思えてテンションが上がる
- 脳内でプロの動きとシンクロして思い切ったプレーができる
- ショットを打つときに意識するポイントやコツが明確にならない
- 調子が良い時と悪い時の波が大きくなりやすい
- 感覚に頼り過ぎて少々雑なプレーをするクセがつきやすい
「一部分だけマネ」の長所・短所
- 自分の身体を自由に操作する力が鍛えられる
- ひとつひとつの身体の動かし方による効果を感じやすい
- 実験のアイデアを無数に作れる
- イメージ通りに打てるコツを明確にできる
- 気づかないうちにリズムが悪くなることがある
- 思ったより強く意識しないと、すぐに意識が解けてしまう
まずは、それぞれのメリット・デメリットを理解すること。
そして、自分の状態にあわせて両方のやり方を使い分けること。
そうやっていくと上達が早いです。
基本的な考え方は
- 「何かのショットをレベルアップさせたい」と思ったら…
- 見本とするプレーをよく見て、具体的に真似できるところを探す
- 見つけたことを実際にやってみることで、自分の打ち方を変える
- しばらく続けてみて、ショットがどう変わったかを感じる
- ②~④の実験を続けていって、自分に合ったコツを作る
- 途中でよく分からなくなってしまったら、全体のリズムや流れを重視する
です。
あくまでベースは「具体的な行動」と「明確な理解」。
迷った時のコンパスとして、「全体の流れ・リズム・雰囲気」を意識する。
それが、上手な人のマネをして上達する効果的な方法です。
まとめ:気づいたことはどんどん試すのが上達の近道!
今回は、上達のためのポイントとして
「上手な人のマネをするときのやり方・考え方」
についてお話ししました。
要点をおさらいしておきましょう。
- 上手な人のマネをするのは、上達のために大事
- 細かく具体的なことをマネしないと得られないものがある
- 全体の流れを大事にしないと得られないこともある
- 基本的には「具体的な行動」と「明確な理解」が必要
- 色々やっているうちに混乱したりリズムが悪くなったりしたら「流れ」を重視
- 両方のやり方を活用して、自分に合ったコツを作っていくのが最高の上達法
誰かから
「そんなことしたって無駄だよ」
と否定されても、気にせず自分の思ったことをやればOK!
上達するためには、
「自分がこうしたい」
という主体的な想いとか行動が何より大事です。
noren
今回はここまでです!
また来てね